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あいの向こう側
第11章 痣が消えない
俺は着替えてベッドに寝転がった。



酔いが回った体が気持ちいい。

『暑い……』

右手で床に落ちているリモコンを拾ってエアコンを点ける。
冷えた風が届く。














―――――「オマエ毎日どこ寄ってんだよ!?」

「痛っ………
友達と夕飯食べてるだけでしょ!」

俺は妻の手首を掴んで、罵っている。

妻はもう何ヵ月も夕飯を作らず、
必ず夜10時を過ぎて帰宅する。それが当たり前のようになっていた。

俺は妻を床に突き飛ばす。
妻が尻餅をついた。
俺は妻の洋服の首元を掴んだ。
「………だったらこの赤い痕はなんだよ……」

妻は8時〜17時のOLだ。
残業もあるし付き合いもある。

だけど、
その印は仕事をしたり友達と飲んだりして付くものじゃない。

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