この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あいの向こう側
第11章 痣が消えない
妻は脅えながら、
「………友達が酔っぱらってふざけてつけた」と呟く。
俺はカッとなって平手打ちをした。
頬を抑えて、こちらを睨み付けながら妻は「……あんたなんか大嫌い。
話もしてくれないし、バッグも買ってくれないし、あたしが髪切っても気付きもしない。
彼は全部してくれるのに!」と叫ぶ。
男がいることを薄々気付いていたくせに、
はっきり言われたら体から力が抜けた。
次の日に妻は荷造りを始めて、
翌々日には〔彼〕とやらの元に行ってしまった。
半月後、
捺印済の離婚届が郵送されてきた。
薄い紙切れを1人の部屋で茫然と眺める。
お節介な妻の友人が「あなたと付き合ってた頃からの関係なんだよ」
と教えてくれた。
「………友達が酔っぱらってふざけてつけた」と呟く。
俺はカッとなって平手打ちをした。
頬を抑えて、こちらを睨み付けながら妻は「……あんたなんか大嫌い。
話もしてくれないし、バッグも買ってくれないし、あたしが髪切っても気付きもしない。
彼は全部してくれるのに!」と叫ぶ。
男がいることを薄々気付いていたくせに、
はっきり言われたら体から力が抜けた。
次の日に妻は荷造りを始めて、
翌々日には〔彼〕とやらの元に行ってしまった。
半月後、
捺印済の離婚届が郵送されてきた。
薄い紙切れを1人の部屋で茫然と眺める。
お節介な妻の友人が「あなたと付き合ってた頃からの関係なんだよ」
と教えてくれた。