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あいの向こう側
第11章 痣が消えない
『やっほ〜ぉ♪
抹茶アイスまんじゅう買ってきたよー♪♪』


アパートのドアを開けると亜季が袋を頭上に上げた。


―――夜8時。


『まんじゅうか(笑)
いいな、真夏に抹茶。
亜季食べてないよね?』
俺はいつもよりもテンション高めの亜季に綻ぶ。


俺から〔今日逢えないか〕と言うことが少ないから、
嬉しいのだろう。



『うん?夕飯?
うん、食べてない…』

亜季がサンダルを脱いでソファーに座った。
『エアコン涼しい〜』ニコニコ微笑んでいる。



『………実は………
どうかな』

俺は用意していた、
炒飯と水餃子をテーブルに出した。


『うっ、いい匂い……
美味しそう。
―――まさか……』
亜季が俺を指さす。


俺は頷いた。
『作った…』


『ええー?
嘘、こんなにキレイに作れるの?
食べてい?』

『どうぞ』


亜季が炒飯を掬ってパクリと大口で食べる。
『美味しい!
水餃子も……?』


俺は無言で頷く。

『すごい、こんなの作れるなんて知らなかった……』

『はは、皮は市販のだけどな』


『ううん、すごいよ。
めっちゃ美味しい!
わたしより数倍上手いんじゃないかな』


『亜季が作ってくれたりいつもは面倒でコンビニ食だけど、
たまには作るんだ』

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