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第12章 みなとみち

―――わたしはといえば、高校から英語科に入った。外語大をストレートで受かり、
フランス語とドイツ語も修得した。独学でポルトガル語と中国語をかじった。


2年のときに単身欧州に渡った。
違う国の言語・違う肌の人間・違う習慣……
それらを学びたい一心で。

期間は一年の留学生のはずが、
ごり押ししてそのままフランスの大学の編入試験を受けてフランスに住んだ。


通訳として仕事を始め、
フランスを拠点に欧州を転々と周った。


仕事でスイス・ポルトガル・スペイン・アルジェリアなどにも入った。




――――もし、
あの時ベルンを訪れなければ今ここには居ないかもしれない。


そう思うと、
あの人のカールした髪としなやかな身体が写真のように頭に浮かんだ。