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あいの向こう側
第12章 みなとみち
――――3人で行動することが増えてから、
マリとニックは恋人同士というわけじゃないと分かった。



とはいえ…………


2人は同じ部屋に同居し、
寝るときも適当にベッドや長椅子に寝ていた。



わたしが遊びに行くようになって、
ドアを開くと2人が半裸で重なって寝息を立てていた。
『ちょっとー、
少しはモラルを持ってよぉ』
わたしが憤ることもあった。


気が合う友達のような、セックスフレンドのようなものだったんだろう。


少なくとも、
マリは。



わたしが怒りながらベーコンエッグとトーストを用意すると、
2人は寝惚け眼で『ありがとう!
サワコ、大好き!』とわたしの頬にキスをした。





いつもわたしの仮宿に2人で訪れていたのに、
たまにマリが1人で来るようになった。

ベルンで介抱してもらってから5ヶ月くらい経った頃のこと。
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