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あいの向こう側
第12章 みなとみち
――――マリがわたしの脚を愛でるように撫で始めたのは少し後だ。



最初、
『素敵な漆黒だわ』と絶賛したわたしの黒髪(染めた経験が無かったのだ)
を撫で、匂いを嗅いで唇で食んでいた。



動物のようだなと面白く思っていた。



マリはわたしの肩を咬んだり、
脹ら脛を指先で撫でつけたりする。


『何してるのー、くすぐったあーい』
仕事の疲れで休みには昼過ぎまで眠りこけているわたしは、
いつも笑いながら怒りながら起きたものだ。




相変わらず、
わたしは2人の部屋まで月に二度は遊びに行っていたし………
マリがニックとわたしの部屋に来ることも当たり前のようにあった。


マリはわたしの脚を撫でてキレイだわ、
素晴らしいわ……と頬を紅潮させていた。


マリのほうがずっと美しいのに。


わたしはガリガリの痩せ型体型だ。

どこに住んでも何を食べてもあまり変化がないから体質なのだろう。


胸はまあるく膨らみ、
ウェストはキュッと締まっているうえ脚まで長いマリに言われると複雑だけど嬉しく感じた。


彼女は美しいものは何でも美しいと言い切るから…………



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