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第12章 みなとみち

わたしは、
2人が婚約してるなんて知らなかった。


知らなかったけれど……



マリが真剣にわたしの裸体を見詰めて、
調べるようになぞってはポイントを探しわたしを悦ばせる。

「キレイ、すごくキレイ」
わたしのガリガリの脚を愛でるように撫でては唇と舌を使いくまなく味わう。




遊びのような、戯れのような、
禁忌を犯しているような罪悪すら楽しかった。



わたしは、
ニックが去ってから気付いた。


同性愛かどうかなんて分からない。
ただ、マリと裸で絡むことがとてつもなく楽しかった。



翌日、マリから謝罪のTELが入った。


それ以降……
わたしは通訳の仕事を続けて、
マリともニックとも連絡を取らなかった。
あちらからも、来なかった。