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あいの向こう側
第13章 夏に飛び込んで
終電の直前で真衣と別れて電車に飛び乗った。


真衣は『ごめんなさい、そんな時に』
少し砕けた口調ででも神妙に言い、別方面の電車に乗り帰って行った。社内の女の子に手を出すときは、とにかく大病の家族を作るに限る。真衣が俺に好意を持っていることは以前から気付いていた。

女の子のカラダは気持ちよくて楽しい。

だけど女の子の感情は面倒くさい。



明莉だっているんだし、
俺は面倒くささを引き受けないがために父親と母親を都度大病にしている。








車内は疎らだ。
サラリーマンやOLが椅子に座ったまま眠っている。

俺は窓から流れてく夜景を眺めた。




なぜだろう?
最近何だか虚しく感じる。
退屈。



遊びは楽しい。

女の子のカラダも美味い。

明莉に隠すのもスリルがある。


仕事は慣れて、
時間の使い方などとうに上手くなった。


なのに。

なんだろうな。



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