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あいの向こう側
第13章 夏に飛び込んで
『ただい____』
自宅マンションのドアを開いて、
俺は言葉を止めた。


玄関にヒールやパンプスが所狭しと並んでいる。



明莉の友達か。


以前から明莉はときどき友達を呼びホームパーティーをしていた。


腕時計を見ると12時55分。


深夜まで飲んでるのか………………




俺はネクタイを緩めながら、
リビングに向かった。
歩きつつ営業スマイルを張り付けて。


リビングでは、
明莉に加えて他4人が賑やかに笑っている。
『あ!
おかえりー!青【セイ】くん』


茶色いボブスタイルで細身の明莉が俺を見た。
『こんばんはぁ』『遅くまでごめんなさーい』
友達が俺に断りを入れる。



部屋が3つあるから、
他の場所で寛げるし俺は細かいことを言わない。

『女子会?
楽しそうだね。
お、サラダすっごい美味そう』


テーブル上にはワインボトル・グラス・
スイーツ(の包み紙らしき残骸)、
シェアしたらしいサラダ皿。
野菜スティック。


『やだぁ、
女子会じゃないよぉ』
酔っている明莉は、
へらへらと笑う。




見ると、
4人のうち2人が男だった。

明莉は商業デザイナーで、
自宅で仕事をしている。

いつも招く友達は同業者だ。


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