この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あいの向こう側
第14章 嗤う波




『……………いったぁ~~~い………』
カナは地べたに座り込んで唸る。

周りは真っ暗だ。


『あ、え、タツキ??』
繋いでいたハズのタツキの手がない。


キョロキョロ見廻す。


『………………え………
いない………』
いっしょに転がり落ちたのに。


『タツキ~~~………』
暗くて怖い。
カナは泣きそうな声でタツキを呼ぶ。

手探りで地べたを這う。
カツンと硬いモノに触れた。
____スマホがあった。



タツキの車から、
スマホだけ持って出たのだ。


暗闇のなか、
どうにか画面スイッチを入れた。光にホッとする。
スクロールし、tellボタンを押す。



タツキをコールした。





プルルル………
プルルル………



タツキが近くにいるなら、
着信音が鳴るはず……




ジリリリン♪♪
ジリリリン♪♪


タツキのスマホの着信音が聞こえた。

『え、あっち??にいるの?』
音は遠くから微かに聞こえる。


足元は暗くて見えないけれど、
そっと一歩進むと砂浜らしい感触がサンダル越しに伝わる。



ヨタヨタと音がするほうへ歩く。



夜目が慣れてきた。
少し、
辺りが見える。


砂浜が広がってるみたいだ。




でも、ならなんでタツキのスマホ音はこんな微かに聞こえるんだろ?



自分のスマホを耳に当てたまま、
ゆっくりと歩く。





『……………もしもし』
突然、タツキがtellに出た。

『タツキっ?!
どこにいるのっ』



『こっちだよ。
こっち。』



『え、どこ?
砂浜しか見えないよ………
怖いし………』


『怖がりだなぁ、カナは(笑)
こっちだよ、
そのまま真っ直ぐ歩いてきなよ』



『え?
タツキ、あたし見えてるの?どこ?』
キョロキョロしてみたけれど、
辺りは人影がない。

沿道を見上げた。


が、
人影らしきものはないようだ。



/263ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ