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あいの向こう側
第15章 イトヲヒク
___年取ったな~………
そう思う。
150センチと小柄だが、
ひとまわり小さくなったように見えた。
どういう訳だか、
私は勉強はからっきしダメだった。
医療事務の専門学校に通うのだって私立の女子短大を出たが就職先がなく、
さらに2年専門学校へ通うしかなかったのだ。
母親は私の学力は早々に諦めていたらしく、
「勉強しなさい」と一言われた覚えが一度もない。
それも母親流に言えば「目利き」なのだろう。
見切りをつける。
諦めも肝腎。
何かを選ぶときは即決。
『…………私のパールの付けてく?』
這いつくばって探している母親に提案した。
『あら、
良いのぉ?』
振り向き笑う。
『持ってくるよ、
全く同じのなんて無いからね?
見てから決めてよ』
母親の経営している塾のホームページには小さくだが写真を掲載してある。
もちろん母親の顔写真だ。
〔創設者・代表 上野瑤子〕
といつの間にか創設者になっている。
そう思う。
150センチと小柄だが、
ひとまわり小さくなったように見えた。
どういう訳だか、
私は勉強はからっきしダメだった。
医療事務の専門学校に通うのだって私立の女子短大を出たが就職先がなく、
さらに2年専門学校へ通うしかなかったのだ。
母親は私の学力は早々に諦めていたらしく、
「勉強しなさい」と一言われた覚えが一度もない。
それも母親流に言えば「目利き」なのだろう。
見切りをつける。
諦めも肝腎。
何かを選ぶときは即決。
『…………私のパールの付けてく?』
這いつくばって探している母親に提案した。
『あら、
良いのぉ?』
振り向き笑う。
『持ってくるよ、
全く同じのなんて無いからね?
見てから決めてよ』
母親の経営している塾のホームページには小さくだが写真を掲載してある。
もちろん母親の顔写真だ。
〔創設者・代表 上野瑤子〕
といつの間にか創設者になっている。