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あいの向こう側
第18章 色街慕情
___貧しい村では食い扶持はなく、

一人置屋に流れてきた。弟と妹は3つで死んだ。

置屋では皆似通っていたから、
冬の朝早く氷の中から汲む水も夏の日照りのなか死に絶えてゆく仲間も当然のことだ。


が、今やっと破瓜を終え、
入り口に立てっている。


馬小屋の窓から三日月が見えた。

男は体を前後に揺らす。
痛い。痛い。痛い。

だけどわたしは、
いつの日か姐さまの位置に座る自分の姿が見えた。
目眩がする。

感激の痛みのさなかに…………


男がはぁはぁと息荒くなる。

わたしも合わせて、
はぁはぁと喘いでみた。


少しずつ少しずつ近づける気がして。













〔終〕
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