この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あいの向こう側
第19章 ねぇ
____住宅街に入る。

細く入り組んだ道。
ウィンカーを出す。

黄色い建物の駐車場に駐車した。
水色のタイルを歩く。タイルに動物たちの顔がある。

『…………あっ!!ママだ!』
私に気づいた娘が、帽子を被りながら駆けてきた。


『今日もお世話になりました』
保育士に頭を下げた。
『サラねぇ、今日ね、象さん描いたのー!』娘が画用紙を広げる。覚束ない手で。
『象さんとお空飛んだのよね?おうちでママにたくさん話そうね』保育士が丁寧に腰を曲げる。

さよーならー、と手を振った。

紙。
絵。
____いま離れたのに、もう木曜日のことがちらつく。
木曜日は5日後。
5日もある………。



セダンを走らせる。
『ママぁ、今日の夕ご飯なぁに?』
邪気のない娘。
『夕ご飯~~~そうねー、ステーキ買って帰ろうかな?』
『えっ!ジュージューのやつ?
うわぁ、パパとお兄ちゃん喜ぶねぇっ』
娘が手足をジタバタさせる。


私は左手を伸ばし、
音楽をかけた。
娘の好きなアニメのテーマソングが流れる。


カサカサカサカサカサカサカサカサ

合間で聞こえる音。


風か何か分からない。

彼の喉仏の隆起が浮かび、
私は小さく咳払いをした。

いつまで牽制し合えるのだろう。

牽制を投げだした時、私はきっと_____……………




再びジワッと広がったぬるいものに、
また気づかないふりをした。













〔おわり〕









/263ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ