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あいの向こう側
第1章 凪に沈む
母屋の奥座敷に入る。


サカエはゴツゴツした腕で酒饅頭をポイと炬燵の上に投げた。


『お茶淹れるよ?』
梅乃はポットをONにして、湯が湧くのを待つ。
『なぁサカエさん?
アパートの若い夫婦おるやろう?』


サカエは炬燵に入り、

酒饅頭の皮を向いて食べる。


『あ?
ああ、オカベのアパートのかぁ?』
オカベとは隠居した大家だ。

『そうよー。
あの若夫婦、
どっから来たんね?』


『さぁ?
大方オカベの息子の伝やないんかね』


『誰も出身知らんから、
ちょっと怖いわ……』


『……そうか?
海沿いのアパート、もっと分からん奴ばっかりやぞ?』


『そうやけど…
お湯、湧いた……ぎゃっ』サカエが、
梅乃の腕を掴み引き寄せる。
『サカエさん、』



サカエは無言で梅乃を押し倒し、
首元に吸い付いた。


薄い胸を荒く揉まれ、
梅乃の割烹着を捲り上げるサカエ。


『いやや……』
言葉とは裏腹に、身体の力が抜けて抵抗できなくなる。








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