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あいの向こう側
第6章 水になる
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友人の佐東三咲【サトウミサキ】が子供を抱えて小走りに駆けてきた。
『ごめーん、
この子出掛けにぐずっちゃってさぁ〜〜〜』
抱っこされている女の子は、
ひっく、ふぇ……と泣きはらした目でわたしを見る。
『黄色いおうちのおばしゃん』
しゃくりあげながら、
わたしを指差した。
『あら……
覚えていてくれたのね』
わたしは嬉しくて、
女の子に頬擦りをする。
夕方の喫茶店。
旦那様が長期出張だという三咲は、
3年前に女の子を出産してすっかり母親然としている。
『由布子?
あんたもそろそろ家庭持ちなよ』
クリームソーダのアイスを子供に食べさせながら三咲はそう言う。
『わたしはいいわ。
1人が得意のようだし』
『彼はぁ?居ないのぉ?
ココネ、ちゃんと食べなさい』
『………12下の男性なら居るけれど』
わたしはカプチーノを一口のんでそう告げる。
『はぁ?あんたも好きだね…………
もう子ども産めなくなるよ?36だし。
あたしでも遅いほうだったんだから』
わたしはまた返答に戸惑う。
友人の佐東三咲【サトウミサキ】が子供を抱えて小走りに駆けてきた。
『ごめーん、
この子出掛けにぐずっちゃってさぁ〜〜〜』
抱っこされている女の子は、
ひっく、ふぇ……と泣きはらした目でわたしを見る。
『黄色いおうちのおばしゃん』
しゃくりあげながら、
わたしを指差した。
『あら……
覚えていてくれたのね』
わたしは嬉しくて、
女の子に頬擦りをする。
夕方の喫茶店。
旦那様が長期出張だという三咲は、
3年前に女の子を出産してすっかり母親然としている。
『由布子?
あんたもそろそろ家庭持ちなよ』
クリームソーダのアイスを子供に食べさせながら三咲はそう言う。
『わたしはいいわ。
1人が得意のようだし』
『彼はぁ?居ないのぉ?
ココネ、ちゃんと食べなさい』
『………12下の男性なら居るけれど』
わたしはカプチーノを一口のんでそう告げる。
『はぁ?あんたも好きだね…………
もう子ども産めなくなるよ?36だし。
あたしでも遅いほうだったんだから』
わたしはまた返答に戸惑う。