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あいの向こう側
第6章 水になる
ふるびた、
黄色い外壁の小さな一軒家。
わたしは玄関扉の鍵を開けて自宅に入る。
肩の力が抜けていく。
『落ち着くわぁ………』
スカートを脱いで、
ジャージ素材のパンツに履き替えた。
冷蔵庫からキャベツ・
人参を取り出して千切りにしていく。
湯を沸かし、市販の鰹だしを入れる。
キャベツと人参をその湯に入れ、
鶏肉を取り出して薄く切る。
塩と胡椒のみで味つけをする。
フライパンで焼く。
自分がしたいからsexをする。
奢りたいから、奢る。
その時食べたいと胃が欲するものを、
自炊して食べる。
――――欲望とはとてもシンプルなものだ。
なのに………
その裏を探ったり妙な意味付けをしようとする人がいる。
36歳独身・フリーランスの不安定な収入………
例えばこれだけで、
気の毒だと嘆く知人もいる。「綺麗なのに勿体ないわね」…………
黄色い外壁の小さな一軒家。
わたしは玄関扉の鍵を開けて自宅に入る。
肩の力が抜けていく。
『落ち着くわぁ………』
スカートを脱いで、
ジャージ素材のパンツに履き替えた。
冷蔵庫からキャベツ・
人参を取り出して千切りにしていく。
湯を沸かし、市販の鰹だしを入れる。
キャベツと人参をその湯に入れ、
鶏肉を取り出して薄く切る。
塩と胡椒のみで味つけをする。
フライパンで焼く。
自分がしたいからsexをする。
奢りたいから、奢る。
その時食べたいと胃が欲するものを、
自炊して食べる。
――――欲望とはとてもシンプルなものだ。
なのに………
その裏を探ったり妙な意味付けをしようとする人がいる。
36歳独身・フリーランスの不安定な収入………
例えばこれだけで、
気の毒だと嘆く知人もいる。「綺麗なのに勿体ないわね」…………