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あいの向こう側
第6章 水になる
『由布子さんみたいな方に……………』



だからそう言われるたび、繰り返し繰り返し疑問に感じてきた「型に嵌まりたがるのだろう…」
という疑問がまた湧く。




型に嵌まりたがると、

型に嵌めたくなるのかなと思った。











―――――――――
翌日の夜。


彼と待ち合わせをし、
中華料理店で夕飯を摂る。

『ご馳走になってしまって………』
照れたように頭を掻く彼。

『いいのよ』
わたしはにっこりと笑う。


『行きます……か』
ホテルに、の主語が抜けている。


わたしはクスッと笑ってしまった。

『何ですか?』

『sexをしよう………で良いと思うんだけれど。』

『あ、いやぁ……
何だか恥ずかしいな……』

彼の手を握る。
すると………
『ちょっと!!
奏多【カナタ】!』

後方から女性の怒鳴り声がした。
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