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あいの向こう側
第7章 堕落する君と
俺はアパート近くのワイン店で赤ワインを買い、


家に帰って飲むことにした。




アパートに入る。


―――俺がルームシェアをする理由は、
ただひとつ。


貯金をしたいからだ。


女にもあまり興味がない。面倒臭いのだ。


会社でも何人かから告白めいたことをされた。断ると時間をおいてまた言ってきたので『中学生じゃあるまいし』と笑うと、
『酷い………
サイテー』と泣かれた経験もある。


―――はっきり断ったほうが当人のためじゃんか。


その時も実和子から注意をされ、
そう返した。




汗を吸い込んだワイシャツを洗濯機に投げ込み回す。シャワーを浴びて、
タンクトップ&スウェットで共有スペースにてワインをグラスに注いで飲んだ。


ふと、
沙耶の部屋を見ると………灯りが洩れている。

『……いたのか』
俺は――就職活動が――どんな様子か訊こうとノックした。
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