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あいの向こう側
第7章 堕落する君と
沙耶の部屋をノックした。


―――返事がない。


そーっと扉を開く。


ベッドで寝ていた沙耶が、ムクッと起き上がった。

『うわ!びっくりした。
………どうした?
顔、真っ青だな』



沙耶は元々痩せているが、蒼白く生気がないように見えた。

(死なれちゃ敵わんしなぁ)


成人した社会人である以上、紹介者である高梨に連絡するのも違うし……



『………ゼリーほしい…………』


『ああ?
何だ?ゼリー?
ウィダーとかそういう系?』


沙耶が頭を横に振る。

『……甘いやつ……
3つパックになってるやつ』



時計を見ると深夜2時。

俺は眠い。

眠いけれど、
これでまた薬を過剰に飲まれちゃ困る。


『わかった、
何でもいいんだな?』


俺は近所のコンビニまで走って、
ゼリーを買った。


部屋に戻り沙耶に渡す。

沙耶はちびちびとゼリーを食べ始めた。


俺はホッと安堵した。
『はああ〜〜〜……
じゃ、俺は寝るから』
沙耶の部屋を出て自室に戻り、
ベッドに倒れ込んだ。
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