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あいの向こう側
第7章 堕落する君と
(…………俺が悪いわけ?)


憤然と怒りながら、
仕事を片して帰路に着く。


夏の夜の街を歩くと熱風が飛ぶ。





(………他人を許容、ねぇ………)



アパートに帰ってワイシャツを脱ぐ。


シャワーを浴び、
タンクトップ&短パンになり冷蔵庫へ向かう。



冷えたビール(自分の名前が書いてある)を取ると、今朝おいて出た食パンとオレンジジュースがそのまま残っていた。




『………あいつ………』


思わず沙耶の部屋をいきなり開く。


『おい!
ちゃんと食えよ!』
怒鳴ると、

沙耶がベッドから起き上がった。



キャミソール一枚だ。


ドキリとした。

が、
目を反らして『………暑いんだしさ。
何か食べないと持たねぇよ』と呟く。


『…………んん……』

沙耶がのっそりと起き上がる。

『………おい!』
俺はギョッとした。
キャミソールに、
下半身はショーツのみだった。

『………何よ?
暑い………』
ベッドから出て、
沙耶がフラッとよろけた。


咄嗟に右手で沙耶を抱える。
肌が触れた。

『……喉乾いた………』

沙耶がしがみ着くように抱きついてきた。

『ちょっと待てって…』

避けようとするも、
沙耶の細く白い両腕が俺の右腕に絡み離れない。


更には、
俺の背中に体を擦るように着けてくる。

『…………喉か?
オレンジジュース飲めよ、新しいの注ぐから』

ズルズルと沙耶を(文字通り)引き摺り、
共有スペースのソファーに座らせた。

オレンジジュースを新しく注いで渡すとごくごくと飲んでいる。

ホッとした。

『何か食べる?食えるか?』

『………軽いものなら』

『食パンでいい?
朝のは傷んでるから、新しく焼くよ。待ってろ』


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