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あいの向こう側
第8章 はこにわ
(良かった、あんまり暴力的な感じじゃなさそうかなぁ)


売春倶楽部に登録して3年め。


自宅もなく、
家族もない和香にとって生活費を稼ぐ方法はこれしかない。


中学しか出ておらず、
後ろ楯などない。


19歳。


今が稼ぎ時なんだろうなとぼんやり思う。


きっと20歳を過ぎ、
25歳を過ぎたら需要は激減する。イコール給料が減るのだ。

タカハルは『ラブホ行く前に、
食事しない?デートっぽくしてもいいかな…』
おずおずと訊ねてくる。


『うん!
いいよ。
何食べようか?』ワカは弾んだ声をあげた。






海鮮レストランにて、
食事をする。

エビを剥きながら、
タカハルは『指、
キレイだね。可愛いし』
とワカに言う。


『そう?
ありがとう♪
タカハルさんは優しいね』


タカハルは優しいと言われて、
照れくさそうに頬を赤らめた。





16歳で生活のあてがなく、年齢を偽って始めた。


沢山の男性を〔彼〕だと思い込むことで、
嫌な思いを振り切っている。


食事を終えて店を出た。
ちょうど夜が暮れてきた時間帯。
ラブホへと歩いていく。

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