この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第73章        

「ヴィヴィも会わせてもらってないのっ! もう3日もクリスの顔、見てない~~!! まじ超ストレスっ!!」

 そう叫ぶように喚いたヴィヴィは、近くの机に両手をペチっと付くと、はあはあと荒い息を漏らす。

(クリスのサラサラの髪の毛、もふもふしたいのに――っ!) 

「どうどう……。落ち着いてヴィヴィ」

 カレンが両手をかざして、ヴィヴィを落ち着かせようとする。

「ご、ごめん……。つい取り乱してしまったわい……」

 ヴィヴィは付いていた両手を離すと、腕で額の汗を拭う真似をする。

「わい……? でもいつもセットの双子が一緒じゃないと、なんか変な感じぃ~」

 ケイトのその間延びした言い方を、ヴィヴィが真似する。

「ヴィヴィも、変な感じぃ~」

「真似するなっ!」

「えへへ」

 ぺろっと舌を出したヴィヴィは、自分の席へと歩いて行った。

 学園指定の鞄からテキスト等を取出し、机に直していると、カレンがヴィヴィの頬に手を添えてきた。

「ねえ、ヴィヴィ……。何か、あった?」

「え?」

 何の事か分からず、顔を上げたヴィヴィに、カレンが心配そうな表情で覗き込んでくる。

「なんか、すごくやつれて見えるんだけど?」

「へ……? 体重、変わんないよ?」

 一応トップアスリートなので、柿田トレーナーに毎日、身体のデータは取って貰っている。

「ん~……、なんていうの? オーラっていうの? うん、生気が足りないような感じ?」

「ふうん~? じゃあ、ヴィヴィ、柳の下にでも立っとく~」

 全く心当たりのないヴィヴィは、首を傾げながらそう言う。

「柳?」

「日本の幽霊はね~、柳の下に立ってるんだって~」

 ヴィヴィはそう、偏った日本の幽霊事情を披露する。

「へえ?」

「こうやってね……。ひゅ~~、ドロドロドロ~~……」

 金色の髪を一房、唇の端に咥えたヴィヴィは、虚ろな瞳で幽霊のポーズ(胸の前で垂らした両手をを掲げる)をしてみせる。

「あははっ! なんか、見たことあるわ、それ!」

 心配顔だったカレンが、途端に笑顔になる。

「ヴィヴィ、日本の幽霊のみんながみんな、柳の下にいる訳では無いんだろ?」

 近くで二人を見ていたマイクが、面白そうに喰い付いてくる。

「え? そうなの~?」

 ジェシカが楽しそうに加わってくる。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ