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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第73章        

「しょぼん……(´・ω・`)  っていうのは冗談で、大丈夫! 反抗期ってものは、大なり小なり誰にも来るんだって。だからそんな特殊な事じゃないし~」

 そう明るく笑って言い切ったヴィヴィに、皆の表情も明るくなる。

「そうだね……。反抗期なんて言っても、すぐ終わるかもしれないしね?」

「明日には終わってたら、笑うっ!」

「クリスなら、あり得そうなところが怖いっ!」

「どんと構えとくのが、一番いいかもね~?」

 皆のその反応に、ヴィヴィも微笑んで頷く。

「うん。みんなにはしばらく、迷惑掛けちゃうかもだけど……。しばらく、そっとしておこうと思う」

「迷惑なんかじゃないよ、水くさい~。みんな幼稚舎からの、幼馴染なんだから。遠慮なんかしないでよ?」

「そうそう。もうみんなが兄弟姉妹みたいなもんだしね?」

「確かに! もう互いに知り過ぎてて、恋にも発展しないくらい~?」

「あはは。ありがとう、みんな」

 ヴィヴィは温かい言葉で励ましてくれる友人達に笑うと、皆と一緒に教室へと戻った。








 昼休み。

「クリス、お昼だぞ~? ランチ行こうぜ?」

 マイクがそう言って、クリスを手招きする。

「ん~……」

 そう返事をしながら、クリスが席から立ち上がる。

 しかし、マイクの近くにヴィヴィが立っていることに気付くと、クリスは踵を返して教室から出て行ってしまった。

「………………」

 ヴィヴィはその後ろ姿を、見つめることしか出来ない。

「あちゃ~~……、重症だな、これ……」

 マイクがそう言って、自分の髪をぐしゃりと掻き回す。

「ごめん、みんな。クリスと食べて? ヴィヴィ、図書館で調べものするんだった~」

「え……? ヴィヴィ……?」

「また、後でね~!」

 手をぶんぶん振って笑いながら行ってしまったヴィヴィに、友人達が互いの顔を見合わせる。

「反抗期って、見てる方も、結構辛いな……」

「俺、高校1年の頃、親に反抗してたけど……。今さら、反省……」

「まあ、一番辛いのは、ヴィヴィ……? いや、クリス本人、かな――?」







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