この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第73章
「しょぼん……(´・ω・`) っていうのは冗談で、大丈夫! 反抗期ってものは、大なり小なり誰にも来るんだって。だからそんな特殊な事じゃないし~」
そう明るく笑って言い切ったヴィヴィに、皆の表情も明るくなる。
「そうだね……。反抗期なんて言っても、すぐ終わるかもしれないしね?」
「明日には終わってたら、笑うっ!」
「クリスなら、あり得そうなところが怖いっ!」
「どんと構えとくのが、一番いいかもね~?」
皆のその反応に、ヴィヴィも微笑んで頷く。
「うん。みんなにはしばらく、迷惑掛けちゃうかもだけど……。しばらく、そっとしておこうと思う」
「迷惑なんかじゃないよ、水くさい~。みんな幼稚舎からの、幼馴染なんだから。遠慮なんかしないでよ?」
「そうそう。もうみんなが兄弟姉妹みたいなもんだしね?」
「確かに! もう互いに知り過ぎてて、恋にも発展しないくらい~?」
「あはは。ありがとう、みんな」
ヴィヴィは温かい言葉で励ましてくれる友人達に笑うと、皆と一緒に教室へと戻った。
昼休み。
「クリス、お昼だぞ~? ランチ行こうぜ?」
マイクがそう言って、クリスを手招きする。
「ん~……」
そう返事をしながら、クリスが席から立ち上がる。
しかし、マイクの近くにヴィヴィが立っていることに気付くと、クリスは踵を返して教室から出て行ってしまった。
「………………」
ヴィヴィはその後ろ姿を、見つめることしか出来ない。
「あちゃ~~……、重症だな、これ……」
マイクがそう言って、自分の髪をぐしゃりと掻き回す。
「ごめん、みんな。クリスと食べて? ヴィヴィ、図書館で調べものするんだった~」
「え……? ヴィヴィ……?」
「また、後でね~!」
手をぶんぶん振って笑いながら行ってしまったヴィヴィに、友人達が互いの顔を見合わせる。
「反抗期って、見てる方も、結構辛いな……」
「俺、高校1年の頃、親に反抗してたけど……。今さら、反省……」
「まあ、一番辛いのは、ヴィヴィ……? いや、クリス本人、かな――?」