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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第74章                 

「カレンは……? ちゃんとお家に帰った?」

 どうしてもこれだけは確認しておきたくて、ヴィヴィは続けたが、

「…………五月蠅い」

 クリスのその怒気を含んだ声に、ヴィヴィは押し黙るしかなかった。

 屋敷と目と鼻の先程の距離にあるリンクに、車はすぐに到着し、クリスはさっさと降りて先に行ってしまった。

「お嬢様……?」

 後部座席から動こうとしないヴィヴィに、車のドアを開けて待っていた運転手が、心配そうに声を掛けてくる。

「あ……、ごめんね、ぼうとしてた。 行ってきます!」

 そう言って車から降りたヴィヴィは、にこりと笑った。

「はい。行ってらっしゃいませ」

 運転手に見送られながら、ヴィヴィはホームリンクの建物へと入っていった。








 フィットネスルームで、ストレッチをしているヴィヴィのところに、母ジュリアンがやって来た。

「クリスは?」

 第一声そう尋ねてきたジュリアンに、ヴィヴィは、

「もう、リンクに行ったんだと思います」

と敬語で答える。

「そう……。クリスが反抗期、なんだって?」

 そのジュリアンの質問は、はたから見ると、不思議に映るだろう。

 実の母が娘に、息子の反抗期について確認しているのだから。

「うん……」

 母親モードのジュリアンに、ヴィヴィはストレッチを止めて頷く。

「ヴィヴィ……、辛いと思うけれど、しばらく耐えてあげて? ヴィヴィにしか、出来ないことなんだから」

「分かってる……、大丈夫」

 言われなくてもそのつもりだ。

 幸い自分の周りには、母を始め、沢山支えてくれる人がいる。

「まあ、愚痴なら、いっぱい聞いてあげるから」

 そう明るく続けたジュリアンに、ヴィヴィは笑う。

「あはは! お願いします。あ、そういえばクリス、学校サボって、どこ行ってたの?」

「渋谷センター街。て言っても家の近辺で、カレンと遊んでたって」

「そっか……」

 やはり二人は一緒に居たのだ。

 お互い一人ずつだと心配だが、しっかり者のあの二人なら、危ない事も無かっただろう。

「あちらの親御さんには、私が謝りに行っておいたわ。まあ、昼から夕方にかけて、ただサボってただけだから、特にお咎め無しだったけどね」

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