この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第75章            

(優しい、優しいクリス。

 貴方は本当に慈悲深い……。

 生まれた時からずっと純粋で、いつまでも綺麗なままの、自分の双子の兄。

 けれど、クリス……、

 優しくする相手の事は、本当にそうするに相応しい相手かどうか、

 ちゃんと見極めなければならないんだよ?
 
 それを怠っては、寝入りばなに喉笛を食い千切られても、

 決して文句は言えないんだからね――?)
 
 ヴィヴィは深く息を吐き出すと、薄い唇を引き結ぶ。
 
 細い指先をクリスの頬に添え、さわさわとその表層を辿る。

 自分の双子の兄の手触りを、輪郭を、柔らかさを、硬さを確認し、記憶する。

 そう、クリスは私の半身。

 そこに恋愛感情は存在しないのに、それでもずっと永遠に傍に居たいと望む。

 この世に生を受けた時からずっと、ずっと一緒の――。

「クリス……私もっ」

 ヴィヴィは縋り付く様な瞳で、クリスを見つめる。

「私も、どんなクリスでも、受け入れる。愛してるっ

 クリスがそれを、ヴィヴィに許してくれるなら――!」

 必死にそう言い募るヴィヴィに、目前のクリスの瞳には、満足そうな色が浮かんだ。

 双子はそれぞれの頬に手を添えながら、視線と吐息を交わす。

 見つめ合う双子の顔は、ほんの10年前までは、見間違うほど瓜二つだったのに、今は完全に男と女の顔になっていた。

 けれど、どれだけ容姿が変わろうと、体格差が出来ようと、芯の部分は変わらない。

 ずっと、一緒。

 ずうっと、一緒――。




「離さないよ、ヴィヴィ。

 君は死ぬまで、いや……、

 死んだ後もずっと、 “僕の片割れ” で、 “僕の可愛い妹” でいるんだ」




 そう宣告したクリスは、ヴィヴィにも宣誓を促がす。

「いいね? ヴィクトリア――」

 有無を言わさぬ瞳の強さに、ヴィヴィは惹き付けられ、求められるがままに誓った。

「はい。クリス、貴方の言う通りに――」

 まるで心酔した様にそう返してきたヴィヴィに、クリスは心底満足そうに微笑んだ。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ