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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第76章
さすがに、「早く元気になって、一緒に滑ろうね?」というお見舞いの文句までは掲載されていないが。
「うん? ……ああ、可愛いなと、思って……」
全く悪びれずにそう返してくるクリスに、ヴィヴィは「え~~……」と困った声を上げる。
「これ、何の絵なの、ヴィヴィ?」
ジェシカが不思議そうに聞いてくるのを見て、ヴィヴィはがくりとうな垂れた。
「……や、やっぱり、わかんないんだ……orz」
楽しそうな双子の周りに、再度クラスメイト達が集まってくるが、誰一人ヴィヴィの絵を解読出来ない。
「クリス、何が描いてあるんだ?」
アレックスが不思議そうにクリスを見下ろせば、
「……秘密……。僕だけ分かれば、いいんだ……」
クリスはそう言って、机越しにヴィヴィの頭をよしよしと撫でる。
「このシスコンっ!」
「彼女がいようがいまいが、シスコンは変わらんのか~~っ!?」
皆が口々にそう突っ込んでくるのに、クリスはしれと言い返す。
「僕の “可愛い妹” は、この世で “ヴィヴィただ一人” だからね……。それとこれとは、全く関係ない」
その呆れた返事に、一同脱力する。
「あっそ……」
「クリス、変わんないね……」
「なんだ、心配して損した……」
そう口々に言いながら散らばっていくクラスメイトを見ながら、ヴィヴィは胸の中で突っ込んだ。
(…………っ なんなんですか、これは……っ!?)