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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第77章
しかし思い返せば、兄を好きだと自覚する前の自分の方が、我が儘で周りを頼ってばかりで、今より酷かった。
全然完璧でなかった自分を、兄も周りも愛してくれていたし、自分でも愛されている自覚があった。
完璧、でなくてもいいのかもしれない。
今出来る事もあるし、今出来ない事もある――今現在の等身大の自分はこうなんだと、認めるところから始めてみれば……。
③ 感謝をする
感謝をすると気分が良くなるから「1日5回、必ずありがとうを言う」事を実行に移す。
もしそれが出来たら、毎日自分を褒めてあげて、自分を好きになるきっかけにする。
④ 自分を楽しませてあげる
誰かに楽しませて貰うのを待つのではなくて、自分で自分を楽しませてあげる。
(じゃあ、ヴィヴィ。ハーブティーの淹れ方、覚えよう!
毎日、自分の心と体が今欲しているハーブを選んで、
自分のために時間を使って、お茶を淹れてあげよう)
⑤ 欲求と上手に付き合う
これは書籍を読んでいて、新たな発見に驚いた事だった。
自分が誰かに「こっちを向いて! 私を愛して!」と思う時というのは、大抵自分で自分を粗末にしている時。
自分を大事に出来ないから、誰かに大事にして貰いたいという欲求が出てくる。
(だから、自分を楽しませてあげて、自分を大事にしよう。
お兄ちゃんばかりに色々求めてしまうの、止めよう。
「ヴィヴィなんか……」って思う癖、止めるよう努力しよう)
⑥ 魅力的な人と一緒に楽しむ
「魅力的だな」と思う人の傍にいるだけで、自分もその人のものの見方や感じ方、考え方をまねる事が出来るようになる。
(じゃあ、ヴィヴィ、すごくラッキーな人だ。
近くにクリスもいるし、チームスタッフは皆大人で、
自分の仕事に誇りを持っていて、魅力的で尊敬してる。
いっぱい観察して、自分のものにするんだ)
この自己流の「自分を好きになる方法」を、常に持ち歩いているiPadに入れたヴィヴィは、毎日これを確認して実行に移せたか自問自答し、併せて簡単な日記も付け始めた。
そうやって一日一日を大切に過ごし、一日の終わりに自分を振り返ると、意外と自分も捨てたものじゃないという気になってくるから不思議だ。