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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第77章
(ごめんなさい、クリス、ローラ……。ワザとじゃないの~~。ぅえ~~んっ)
見たくなかった……と思うが、勝手に覗いてしまったのは自分なので、しょうがない。
「はぁ……。クリスが大人になっちゃった……」
そう冗談のように呟いたヴィヴィは、もう両手で足りないくらいセックスをした後も、全くもって『お子ちゃま』のままの自分を棚上げして、クリスだけを大人扱いする。
しかしそこで、ヴィヴィははたと我に返る。
(あれ……? でもローラと付き合い始めたのって、一週間くらい前からじゃなかった……?)
一般的には、高校生同士が付き合って一週間で躰の関係に至るのは、どうも早いような気がする。
しかも、クリスは1月~2月というこの短期間で、3人目の彼女なのだ。
「………………」
ヴィヴィは胸の前で両腕を組むと、う~んと唸り声を上げる。
けれど、部外者の自分が悩んでみても、彼女達とクリスの付き合い方をほとんど知らないのに、何も判断出来る筈もなく。
(ま、早いかどうかは、当人同士の感じ方の問題だもんね……。ヴィヴィ、お邪魔虫にはなりたくないぞ?)
ヴィヴィは腕組みを解くと、ふうと息を吐き出し、立ち上がってハーブティーの準備を始める。
(今日は精神を落ち着けるものにしよう……、うん……)
ヴィヴィはそう思いながらティーセットの準備をすると、リビングのソファーへと運んで腰を下ろす。
透明なティーポットの中で、カモミールと、ジンジャーから成分が溶け出して、揺らいでいる。
4分後、それを飲んで落ち着きを取り戻し、ジンジャーのおかげで体もぽかぽかしたヴィヴィは、胸の中でぼそりと呟いた。
(……クリス……、避妊は、ちゃんとしようね……)