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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第77章              

「後少しでヴィクトリア、抱けるんだな」

 そうしんみり言われ、ヴィヴィはぴくりと小さく震える、

「……は、恥ずかしいっ」

「いっぱい色んなところ、可愛がってあげようね」

 にっと悪戯っぽく笑う匠海から、ヴィヴィはふいと視線を逸らす。

「やっ ……っ もう、えっちっ」

「エッチなのは、お前もだろう? じゃあな」

「うん。いってらっしゃい」

 ヴィヴィは心の中で「お兄ちゃんほどではないけど!」と突っ込みながら画面に向き直り、笑顔で手を振った。

 回線がふつと切れ、画面から兄の姿が消えた。

「………………」

 ヴィヴィは熱くなった頬を両手で覆い、瞳を細める。

(早く……早く、お兄ちゃんの胸に抱きしめて欲しい……。

 早く、お兄ちゃんと、一つになりたいよ……っ)

 その長い睫毛が、心の中を表すようにふるりと震える。

 もう、ぐずぐず悩むのはやめよう。

 なんだかんだ言って理由を付けても、結局のところ自分は兄のことが気になる。

 兄のことを信用出来なくなってきているのは、認める。

(でも……、ヴィヴィはやっぱり、お兄ちゃんのこと、好き、なんだもん……)

 少し前までは、自分が兄を好きかどうかさえ、分からなくなっていた。

 けれど、自分の事を見つめ直し、自分を取り戻しつつある今、少しずつ分かり始めた事もあった。

(2ヶ月も我慢したんだもん、後ちょっとでお兄ちゃんに会えるんだから、もうひと踏ん張り、頑張ろうっ!!)

 ヴィヴィはそう思いながら、胸の前で握り拳を作ったのだった。







(とは言うものの……。う~ん、どうしたものか……)

 本日の予定の全てを終了したヴィヴィは、就寝支度を進めながらも、頭の中では悩んでいた。

 悩みの種は、年末年始の兄の言動にある。




『いいんだこれは、俺が興奮するだけだから』




 自分の両手首を、ネクタイで拘束した匠海が発した言葉。

 その状態で後ろ向きに兄に跨り、その上で腰を振り続けた自分は、結局匠海を一度しか満足させられなくて、怒らせてしまったが。

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