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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第78章                 

 3月14日(水)、夕刻。

 世界選手権2020が開催されている英国・バーミンガム、アストン・ヴィラ・アイスセンター。

 その一角、水色の巨大なボードには大会の各スポンサーの広告が名を連ね、そしてその前には、3人の女子選手が並んでいた。

「ただ今から、女子シングル、SPのスモールメダル授与式を執り行いたいと思います」

 女性アナウンサーがそう宣言すると、観客が興奮して「ひゅ~!!」と口笛を吹き歓声を上げる。

「女子シングル SP、第1位 篠宮ヴィクトリア選手 日本代表、第2位 グレイシー・シルバー選手 アメリカ代表、第3位 ユリア・リプニツカ選手 ロシア代表」

 一般の観客が見守る中、読み上げられた3名の選手は、にこやかに手を振り、スマホやカメラで写真を撮りまくられる。

「ではプレゼンターをご紹介致します。ISUイングランド支部代表Christopher Buchanan様、Janet Coton様、テクニカルコントローラーAlexander Lakernik様」

 それぞれから、スモールメダル、ブーケと労いの言葉を受け取った選手達は、フォトセッションに移り、また写真を撮られまくった。

「ヴィヴィちゃん、おめでとう!」

 そう日本語で声を掛けられることは、世界のどの大会に行ってもよくあること。

 それだけ日本のフィギュアファンは、熱心に観戦に来てくれる。

 ヴィヴィは声のした一角に小さく手を振ると、「きゃ~っ!!」と悲鳴と紙一重の歓声が上がった。

(元気だな~。ちょっと、分けてほしいや……)

「副賞は、本大会のスポンサーでもあります㈱シチズン様から、シチズン時計事業本部長 佐藤紀夫様より贈呈して頂きます」

 日本人の佐藤氏と顔を合わせるのは2度目のヴィヴィは、授与された時計を受け取り、

「ありがとうございます。うちに御社の時計、いっぱいあります」

と笑って見せた。

「ヴィヴィちゃん、おめでとう! 日本人として鼻が高い。もっと一杯時計あげたいから、また頑張ってね!」

 そう暖かいエールをくれた佐藤氏と握手した写真を、ISU公式カメラマンに撮られる。

 またフォトセッションで写真を撮られまくった3選手は、たまに「人多いな~」「フラッシュ眩しいな~」等と軽口を叩いていた。

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