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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第78章                 

「続きまして、各選手への質問コーナーへと移らせて頂きます」

 そう女性アナウンサーが発した途端、観客が一斉に手を挙げる。

 まだ「質問のある方は手を挙げて――」とも言っていないのに、そうなってしまいアナウンサーが苦笑する

「では元気の良かった、一番前の方」

「えっと、3選手とも、おめでとうございます! ん~っと、私は役者を目指していて参考にさせて欲しいのですが、役になりきるのにしている努力とか、ありますか?」

 少し訛りのある英語でそう質問してきた、自分と同年くらいの少女に、マイクを受け取ったヴィヴィは口を開く。

「え~、私は関連書籍を読み漁ったり、DVDを見たりして、自分で自分を“洗脳”してますね~」

 その返事に周りから笑いが起きる中、ヴィヴィは隣のグレイシー・シルバーにマイクを渡す。

「そうですね……。SPはカッコいい女性を演じているので、身近にいるカッコいい女性を人間観察して真似しています」

「ん~……。特に何もしてないですね。曲が鳴ると、自然に役になれちゃいます……」

 ユリア・リプニツカのその返事に、皆が「ほ~」と感嘆の声を上げる。

「次の方――、はい、そこの帽子を被った男性、どうぞ」

 女性アナウンサーがそう言って、次の質問者をあてる。

「SPの上位、おめでとうございます! 今季のSPに各選手、こだわりとかありましたか?」

 男性のその質問に、ユリアからマイクを受け取ったヴィヴィは、口紅を塗った唇を開いた。

「ええと、今期のSPは振付師に一任して創って貰ったのですが、振付師に『宿題』を出されていて、ずっとその『答え』が分からずに悩んでました。つい先日、やっとその『答え』を見つけて……、まだ、先生には伝えてないんですけど……うふふ、なので今日は、シーズン最後で一番気持ちを込めて滑れたSPだと思います」

 そう言って微笑んだヴィヴィに、アナウンサーが、

「どんな『答え』だったんですか?」

と尋ねてくる。

「えっと……『自分と周りを大切に――』って感じの答えです」

 そう言って恥ずかしそうにぽりぽりと頬を掻いたヴィヴィに、観客から「お~っ」「へ~っ」と唸りやら、納得の声が上がった。

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