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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第78章
「ふふ、ほんと匠海は、ヴィヴィの保護者ね~」
父方の従姉のメグが、匠海の空になったグラスに赤ワインを注ごうとし、その手から自然にワインボトルを受け取った匠海は、メグと自分のグラスに真紅の液体を注ぐ。
「この子は危なっかしいからね、クリスと違って」
そう言いながらワインを飲む匠海に、メグがうんうん頷き、
「それはなんとなく、分かる」
傍にいたヒューにそう突っ込まれ、ヴィヴィは「なにおうっ!?」と応戦する。
「氷の上だと、しっかりして見えるのにな?」
「一歩氷下りれば、やっぱり『お子ちゃま』っていう」
「プレゼントのイラっくまにメロメロになってたの、大型ヴィジョンに映し出されてたし」
「でも、メディア対応はまあまあしっかりしてたわよ?」
そう年上の従兄姉達に寄ってたかってからかわれ、ヴィヴィは唇を尖らせた。
「ヴィヴィ~っ! 写真撮ろ~!!」
後ろからそう呼ばれて振り返れば、母方の同年代の従姉妹達がヴィヴィを手招きしていた。
「行っといで」
そう匠海に促され、ヴィヴィは頷いてそちらに駆けて行く。
「うんっ! ポーズはどうする~?」
「やっぱ、これっしょ!」
ヴィヴィのFPのフィニッシュポーズ――胸にあてた両手を広げる、をしてみせる従姉妹達と、ヴィヴィは写真を撮りまくった。
「ヴィヴィ、これでも食べて……」
そう言って傍に来たクリスの手には、野菜スティックの刺されたグラスがあった。
「あ、ありがとう! セ~ロ~リ~!」
そう言いながらセロリを齧ったヴィヴィは、クリスには彼の好きなきゅうりを差し出す。
それをヴィヴィの手からぽりぽり食べるクリスが可愛くて、従姉妹達が笑い転げる。
「ヴィヴィ、ミニワンピ可愛い~っ」
ファッションに目ざといサラが、ヴィヴィの全身をしげしげ見つめて褒めてくれる。
ライトグレーのサロペットのミニワンピに、小さなフリルがあしらわれたシフォンの白シャツ、黒のニーハイソックスを纏ったヴィヴィは、サラを見返す。
「いやいや、サラのセクシーワンピには負けますぜ」
大きく胸ぐりの開いた黒のワンピースを纏ったサラは、とてもよく似合っていた。
もう爆乳と言っていい程谷間のある胸に、きゅっと締った手首足首。