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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第78章
(う~~ん。ヴィヴィとサラは従姉妹で、遺伝子近いはずなのに……何故にこうも違うかね……)
「ん~、ヴィヴィのは確かに、セクシーではないね」
他の従姉妹にそう言われ、ヴィヴィは頭を抱えた。
「セクシー路線は似合わないんだよぉ~! 自分でも分かってるんだよぉ~っ!」
(童顔で、胸も尻も、おまけに色気もないんだよ~! どうしろってのっ!?)
「あはは、可愛いかわいいっ」
「世の中、捨てる神あらば拾う神ありってね」
「日本は“可愛い女の子”がモテるんでしょう? 英国をはじめ、欧米ではあんまり“可愛い”の需要はないけど」
「………………」
同年代の従姉妹達にまでそうからかわれ、すっかりやさぐれたヴィヴィは、ぽりぽりと野菜スティックを食べ続けたのだった。
後数分で深夜1時になろうという頃。
「さあそろそろお開きにして、未成年はお部屋に戻りましょうね~」
祖父母の鶴の一声で、両家親族合同のディナーパーティーは終了となり、まだ飲み足りない大人達は夜のパブへと繰り出して行く。
「ヴィヴィ~! お部屋でパジャマパーティーしない?」
リストランテから出て、叔父叔母達とおやすみのハグを交わしていると、サラがそう声を掛けてきた。
「そうそう、サラの部屋で集まるの!」
「あ~~、すっごく行きたいんだけど、ヴィヴィ、明日もエキシビあって……」
ヴィヴィは、従姉妹達にそう申し訳なさそうに謝る。
「あ、そうだよね~。残念」
「明日のエキシビも観に行くから、『お子ちゃまの国のアリス』楽しみにしてる!」
サラのそのからかいに、ヴィヴィは両脇で拳を作り、速攻突っ込んだ。
「そんな国はありませんっ!!」
「あはは、じゃあね~!」
「うん、オヤスミ」
賑やかな従姉妹達を、手を振って見送ったヴィヴィの傍に、クリスが寄って来る。
「ふわわ……」
豪快なあくびを繰り返すクリスと廊下を歩きながら、ヴィヴィはその顔を覗き込む。
「クリス、ものすごく眠そうだね?」
「うん……。今日朝から夕方まで、ずっと皆に観光に連れまわされて……」
そう言ってげっそりした表情を浮かべたクリスに、ヴィヴィは納得する。