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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第78章
首を、肩を、腕を、腰を。
ヴィヴィの表面を服の上から辿っていた匠海は、はぁと大きく息を吐き出すと、ひょいとその華奢な躰を両手で上に持ち上げた。
驚いたヴィヴィが匠海の首に縋り付けば、そのままリビングスペースに連れて行かれる。
大きなソファーの前で立ち止まった匠海は、ヴィヴィを抱っこしたまま立ち尽くす。
「でも、もう1時なんだよな……。とりあえず、今日は一緒に寝るか?」
残念そうに自分を見つめてくる匠海に、ヴィヴィはちょっとむっとする。
「……お兄ちゃんは、それで我慢できるんだ?」
(ヴィヴィはこんなに、お兄ちゃんを求めてるのに……)
「我慢しようと努力してるんじゃないか、お前の躰が心配で」
そう言ってヴィヴィのおでこに、自分のおでこをごつりと強めにぶつけてきた匠海に、ヴィヴィは笑う。
「じゃあ、我慢なんてしないで? ヴィヴィ、このままじゃ眠れないもん」
「ふうん? どうして?」
妹の可愛らしい答えに、途端に意地悪な顔になった匠海は、そう面白そうに囁いてくる。
「ずっと、お兄ちゃんと一つになりたかったからっ」
そう喚く様に言って自分もごつんと頭突きしたヴィヴィは、じっと兄をにらみつけた。
(早くヴィヴィと訳が解らなくなるくらい、気持ち良くなろう……?)
子供っぽいヴィヴィの仕草に苦笑した匠海は、ソファーに腰を下ろし、その股の間にヴィヴィを膝立ちにさせた。
「ふ、エッチな子だ。ところで――」
「ん?」
「今日の俺は、怒っている」
「……へ……?」
ヴィヴィは間抜けな声を上げながら、目の前の匠海を見下ろす。
(何を……? ヴィヴィ、なんかしたっけ?)
「お前、短じか過ぎだろう。スカート」
そう拗ねた様に言ってくる匠海に、ヴィヴィは驚く。
「え? だって、お兄ちゃん、ミニスカート、好きなんでしょう?」
このライトグレーのワンピを選ぶとき、ヴィヴィはあえて、ミニスカートのものを選んだのだ。
「別に」
ぶすっと答えながら、ヴィヴィのミニスカートの裾を下に引っ張る匠海に、ヴィヴィは不満の声を上げる。
「え~……、だって109で、ミニスカばっかり押してきたよ?」
昨年の4月、初めてデートしてくれた時、ショップで兄が差し出してきたのは、確かにミニスカートばかりだった。