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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第78章
白シャツの胸に掌を這わせたヴィヴィは、指先でその下の張りのある胸板を感じながら、ゆっくりとそこに頬を寄せた。
(お兄ちゃん、だ……。お兄ちゃんの香り、手触り、温かさ……)
「……ふっ 脱がせてくれないのか?」
ジャケットしか脱がさず、うっとりと自分に縋り付くヴィヴィに、匠海が面白そうに尋ねてくる。
「……ううん……」
ヴィヴィは頬を離すと、グレーのストールを首から外す。
第2ボタンまで外れていたシャツに指を掛けると、一ずつ上からボタンを外していく。
そこから露わになる滑らかな胸に、より顕著になる兄の香りに、ヴィヴィは吸い寄せられる様に唇を付ける。
(クラクラ、する……。
なんでお兄ちゃんだけに、お兄ちゃんの香りだけに、
ヴィヴィ、こんなに反応しちゃうんだろう……)
ボタンが開けられていく度に露わになる胸板、腹筋、へそに、ヴィヴィは徐々に腰を落としながら、ちゅっちゅっと小鳥が啄ばむ様なキスを落としていく。
目の前のベルトを外したヴィヴィは、デニムのボタンも外していく。
そこにあったのは、下着に包まれた既に大きくなり始めた、兄のもの。
ヴィヴィはゆっくりと立ち上がり、こちらを見下ろしている匠海の唇を背伸びしてちゅっと啄むと、肌蹴たままの白シャツを脱がせた。
露わになった匠海の色素の薄い逞しい上半身に、ヴィヴィはうっとりと両手を触れさせる。
逞しいのに滑らかな肩のライン、自分などひょいと持ち上げてしまう硬い二の腕、綺麗に盛り上がった胸筋。
たまにふと視線を上げて兄を見上げれば、その灰色の瞳は熱っぽく自分を見下ろしてくる。
兄の表層を自分の掌全体で感じ取ったヴィヴィは、やがて割れた腹筋へと両手を下していく。
そしてその下の腰に纏ったままのデニムに手を伸ばすと、ゆっくりと足から抜き取っていく。
紺のボクサーブリーフの中、もうきつそうに起ち上がっている匠海の陰茎に、ヴィヴィは跪いてゆっくりと手を伸ばした。
自分の掌より長く硬いそれに、ヴィヴィは輪郭を辿るように指先を這わすと、おもむろに頬を寄せた。
柔らかな布越しに、確かに感じる兄の昂ぶりは、とても熱く逞しい。