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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第78章
「明日も、お部屋、来ていい?」
匠海は明日のエキシビションを観戦し、その後このホテルにもう一泊し、翌日の日曜にオックスフォードに戻る。
妹のその確認に、匠海はふっと笑う。
「勿論だよ。後で、カードキー渡す。じゃあ、今度はヴィクトリアを気持ち良くしようか」
「やだ。一緒にっ」
そう言って兄の目の前で頬を膨らませたヴィヴィに、匠海が苦笑する。
「駄目。俺のをいっぱい憶え込ませたいからね」
そんなえっちだけど嬉しい事を言ってくれる匠海に、ヴィヴィはその頬に両手を添えると、嬉しそうに笑った。
「じゃあ、いっぱい、して?」
「いい子だ。じゃあ、取りあえず、ニーハイ脱ごうね」
そう続けた匠海は、ヴィヴィが履いたままだったニーハイソックスを脱がせ始める。
「え……? ど、どう、して……?」
躰を繋げたまま、器用に妹の脚からソックスを抜き取る兄に、ヴィヴィは焦って尋ねる。
(それ……脱いだら、酷くしない……?
『鞭』、与えない……?)
「ヴィクトリアが俺の腰に、すべすべの脚で縋り付いてくるのが好きなんだ」
妹の心の中の不安とはかけ離れた返事を寄越してきた兄に、ヴィヴィは当惑したまま見上げる。
「すごく、求められている気がしてね」
ソックスを全て脱がせたその細い脚を、気持ち良さそうに撫で擦る匠海に、ヴィヴィは口を開く。
「物凄く、お兄ちゃんのこと、求めてるよ?」
(ずっと、前から……)
「じゃあ、もっと縋り付いてごらん? ヴィクトリアの全身で、俺の事、感じて憶え込んで」
「うん……。お兄ちゃん」
匠海はその言葉通り、必死で縋り付くヴィヴィを何度も追い上げ、蕩けさせた。
色んな体位で貫かれたのに、それら全てが二人の距離が近くて、互いの表情が確認できて……。
ヴィヴィはただそれだけで、身も心も満たされた。
「おにいちゃぁん……、お兄ちゃん、も、気持ち、いい……?」
ヴィヴィはもう力が入らない躰で、両腕だけを何とか持ち上げ、匠海の首に縋り付く。
妹をそのまま抱き上げた匠海は、ベッドヘッドへと寄り、そこにヴィヴィの上半身を凭れ掛けさせた。