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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第79章            

 ヴィヴィは自分の額を兄の肩に擦り付けると、はぁと熱い息を吐く。

(お兄ちゃん、起きて?

 早く、早く、ヴィヴィと気持ちいいこと、しよう?

 そして、覚えておいて、ヴィヴィの躰の全てを。

 半年間、他の女を抱く――その最中でも、後でもいいから、

 一瞬でもヴィヴィを、思い出して……?)

「おにいちゃん……」

 ヴィヴィがそう甘ったるい声音でその名を呼んだ時、巻きつけられていた匠海の両腕が、さらにぎゅっとヴィヴィを強く抱き込んできた。

 そのままごろんと仰向けになった匠海の上、抱かれていたヴィヴィは乗っかる格好となってしまった。

「んぅ……っ ぁんっ」

 ヴィヴィが小さく啼く。

 収められたままだった匠海の陰茎が、急に肥大してヴィヴィの膣内を押し広げ始めたのだ。

 如何せん自分もずっと貫かれたままで、その奥深くは潤ったまま。

 どうしても気持ち良くなってしまい、きゅんと膣内の匠海を締め付けてしまった。

「ヴィクトリア……、朝からそんなに締め付けて、エッチな子だね」

 下から聞こえてきた、少し掠れたその声に、ヴィヴィは唇を尖らす。

「もうっ お兄ちゃんったら、起きてたんでしょっ?」

「ふ……、バレたか。おはよう、ヴィクトリア」

 そう言って微笑んだ匠海の表情がとても幸せそうで、ヴィヴィははっとしながらも返す。

「お、おはよう、お兄ちゃん……」

 なんだかこんな風に上から見下ろすことに慣れず、ヴィヴィは少し戸惑う。

「もっと寝ててもいいんだぞ?」

「ん……。爆睡したから、大丈夫」

「そう?」

「うん。ふふ……、なんかこの体勢、小っちゃい頃を思い出す」

 6歳も年が離れていると、小さい頃は凄い体格差で、ヴィヴィはよく匠海の胸の上や腰、太ももの上に乗せられていた。

 自分はその上で、ご本を読んで貰ったり、花を編んで花冠を作ったり。

「ああ、ヴィクトリアは本当にお転婆で、よく俺に飛び掛かってきたからな」

 そう言ってからかってくる匠海に、ヴィヴィは焦って言い返す。

「そ、そんなことないもんっ」

「はいはい。お前は生まれた瞬間から今日まで、ずっと愛くるしいよ」

 金色の髪を撫でながらそう言ってくる匠海に、ヴィヴィは「むぅ」と唸る。

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