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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第79章
(なんなのさ、その適当加減は……っ)
そう心の中で突っ込みつつも、ヴィヴィは瞳を細める。
(ヴィヴィはきっと、その頃からお兄ちゃんの事、好きだったんだよ。
物心付いた頃から、ずっとお兄ちゃんしか見えてなかったもの。
あれから色々あって、二人の関係は変わってしまったけれど、
それでもヴィヴィの心の中は、変わらないの……)
「お兄ちゃん……?」
「ん?」
「うふふ……、好き。だ~い好きっ」
ヴィヴィが発したその声は、心底無邪気だった。
兄に自分を好きになってと求める前に、ちゃんと自分の気持ちをもっと伝える。
そう、自分は心に決めたのだから。
長い金色の髪が薄暗い寝室の中、鈍い光を放ちながら匠海の肩にさらりと落ちる。
ヴィヴィはうっとりと兄を見下ろしたが、匠海は違った。
苦しそうに瞳を歪め、妹をその胸にさらに抱き寄せてくる。
「ヴィクトリア……っ」
目の前の喉仏がごりと動いたのと同時に発せられたのは、何故か辛そうな兄の声。
自分の背中と肩に食い込む、震える兄の指先。
(お兄ちゃん……? どうし――)
「ぁあんっ」
ヴィヴィは思わず漏れた甘い吐息に、驚いて身を竦ました。
この場の空気に不相応なそれに、羞恥にさっと頬が熱くなる。
だってしょうがないではないか。
長くて硬いものが、深いところでびくびくと脈打っているのだから。
「……、ふっ 可愛い声出して。気持ちいいのか?」
そう耳元に囁いてきた匠海の声は、先程までのものとは違い、濡れた色っぽいそれだった。
ヴィヴィの背筋がその色香にあてられた様に、ぞくぞくと戦慄く。
「ん……。だって、一晩中、ヴィヴィの中にいるんだもんっ」
(そんなに存在感のあるもの、ずっと受け入れてた、こっちの身にもなってっ)
甘えた声でそう言って胸に縋り付けば、さらに中のものが脈打った。
「ごめん。じゃあ、ご期待に応えましょう」
そう宣言した匠海は、ヴィヴィを抱きしめたまま上半身を起こす。
妹の細い腰を両手で鷲掴みにした匠海は、自分の腰の上でヴィヴィを揺さぶり始めた。