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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第79章
「うん。……っていうか、こんな中途半端で放り出さないでぇ……」
(お兄ちゃんのせいで、また中がぴくぴくしちゃってるんだもんっ)
そう言って上から兄の唇をちゅっと啄めば、匠海の顔がにやりと悪い顔に歪んだ。
「ああ、やっぱり俺が見込んだ通り、エッチな子だ」
(見込んだ通り……? 何のこと……?)
そう疑問に思ったのも束の間、その後の匠海の攻めにヴィヴィは善がり狂わされ、すっかりそんな事などどうでもよくなったのだった。
正方形の浴槽の中、ほけ~~と呆けたヴィヴィが浸かっていると、全裸の匠海がペットボトルを手に入ってきた。
キャップを外し渡してくれたそれを受け取ったヴィヴィが、半分程飲み干す。
もう昨夜から抱かれ続けてカラカラだった躰に、硬度高めのミネラルウォーターが染み入る。
「ありがとう、い、生き返りました……」
そう冗談ぽく言ってペットボトルを渡せば、匠海が残りをすべて飲みきった。
「間接ちゅう……♡」
と濡れた匠海の唇をちら見して呟けば、「馬鹿」と一笑に付され、肩を抱き寄せられた。
どきりとして、先ほど兄に優しく白濁を掻き出して貰った膣内が疼いたのは、絶対に匠海には内緒だ。
隣の兄に頭を預け、回された腕の先、大きな掌を両手で包む。
「やっぱり、好き……」
「何が?」
短く聞いてきた匠海に、ヴィヴィは視線を移すと微笑む。
「お兄ちゃんの手……、大好き」
「ん?」
「大きくて、温かくて、安心するの。小っちゃい頃から、ず~っと、好きだった」
そう告白してうふふと笑えば、もう片方の手で頬を撫でられ、ヴィヴィは擽ったそうに肩を震わせた。
「そう?」
「うん。あと、指長くて綺麗だし、ピアノ弾いてるの見てるとうっとりしちゃう」
(お正月連弾してるとき、ヴィヴィ、すっごく幸せだった)
兄の手に視線を戻してしげしげとそれを眺める妹に、匠海が白状する。
「俺も、ヴィクトリアの手、好きだよ」
「え、ほんと?」
それは初耳だと兄を見上げれば、真っ直ぐにこちらを見つめている匠海と目があった。