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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第79章            

「お前の声は本当に可愛くて、いつまでも聞いていたいけれど、ちょっと高いからな?」

 そう優しいフォローも忘れずに入れてくれる匠海に、ヴィヴィは華奢な肩を落とした。

「そっか……、ごめんなさい」

(ヴィヴィの、え、えっちの時の声のせいだったなんて……、しょ、ショック……っ)

 ヴィヴィの頭の中を覗いたかのように、匠海がにやりと悪い顔で嗤う。

「まあそのお蔭で、これ以上ないってくらい、お前のことを可愛がれるし、いっぱいその啼き声も聞ける」

「………………」

(別に、家でも遠慮してないと思うけど……)

「ヴィヴィの事、考えてくれてありがとう」

 何だかんだ言いながら、自分を守るために兄が自然にそういう行動を取っていてくれてことは、とても嬉しい。

 ぺこりと頭を下げたヴィヴィの金髪を掻き上げながら、匠海はその顔を覗いてくる。

「礼はいいから、今夜もいっぱい抱かせろよ?」

「ん。明日は帰国するだけだから、お兄ちゃんが満足するまでいっぱい、してね?」

 そんな可愛らしい返答を寄越した妹に、匠海は「言ったな? 覚悟しておけ」と笑った。

(もう、『鞭』でも何でも、お兄ちゃんに与えられるものだったら、ヴィヴィ、それでいい……)

「さっきのヴィクトリア、物凄く可愛かった。また、見せてくれ」

「……う、うん」

 今朝はずっと兄の上に跨って、自分で腰を振って、その一部始終を全て匠海に見られていた。

 見て欲しかったのだから、結果的にはいいのだが、如何せんやはり16歳の少女としては、本当は穴があったら入ってしまいたいくらい恥ずかしい。

「赤くなって。本当にお前は可愛いよ。あ、でも、俺以外にそんな顔見せるなよ?」

 そう念押ししてくる匠海に、ヴィヴィは目の前で「い~だっ」と白い歯をむく。

「み~せ~ま~せ~ん~っ」

(っていうか、お兄ちゃん以外の男性が、ヴィヴィのこんな顔見たがらないって)

 頬を膨らませて匠海を睨み付けると、兄は苦笑してヴィヴィを抱き寄せた。







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