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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第79章            

「ちえっ 寂しがり屋のお兄ちゃんにぴったりの、名案だと思ったのに~……。じゃあ、欲しいもの考えておいてね?」

(えっちな物は、やめてね……?)

 そう心の中で願いながら、ヴィヴィは匠海に念押しした。

「はいはい」

「ところで……。ヴィヴィも、その……、しょ、処理したほうが、いい……?」

 いきなり頬を染めてどもり出したヴィヴィに、匠海は見当が付かないらしく「え?」と短く問い直してきた。

「あの、その……」

 言いにくそうにするヴィヴィの灰色の瞳は、匠海のバスローブの股間あたりをがん見していた。

「ああ、アンダーヘアーか。お前はいいよ。綺麗な金色で毛も細いし、気持ちよくて俺のお気に入り」

 ようやく合点がいった兄は、笑いながらそう返してきた。

「ほ、ほんと?」

(お兄ちゃんはヴィヴィに、な、舐めさせてくれないけど……。お兄ちゃんはヴィヴィの、あ、あそこ、舐めてくれるから……。し、心配なの……っ)

 不安気に見上げてくる妹に、匠海は笑みを深くして頷く。

「ああ。英国に住むならまだしも、今はそのままでいいよ。柔らかくてとても可愛い」

 そう言って軽く抱き寄せられ、ヴィヴィは兄の胸にそっと金色の頭を預けた。

「ん。ヴィヴィ、お兄ちゃんの言う通りにするね」

 素直にそう兄の言葉を受け入れたヴィヴィに、匠海が突然思い出し笑いをする。

「実は、俺が処理した理由も――」

 そう零した匠海は、ヴィヴィの耳元でごにょごにょと囁き、

「あははっ なんだ~!」

 下の毛を処理するきっかけを白状した匠海に、ヴィヴィはいつまでも笑いが止まらないのだった。










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