この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第80章            

 その後、今日帰宅する親族と、父グレコリーにお礼とお別れをし、見送った双子は、部屋に戻って衣装の洗濯・シューズ磨き・シャワーを終え、残りの親族が開いた夕食会に参加した。

「あら、素敵なドレスだこと!」

 ワインレッドのワンピースを纏ったヴィヴィを認めた叔母が、頬を綻ばす。

「あ、うん。この後、クロージングバンケットがあるから、その格好で来ちゃった」

 20:30~22:30までこのホテルの最上階で、ISU主催のバンケットがある。

 あと1時間位で始まってしまうのだが、それまでは親戚と一緒に過ごしたくてここに参加したのだ。

 グレーのスーツに着替えたクリスも参加し、大人席と子供席に分かれて、ワイワイとテーブルを囲んでいた。

 双子はこの後のバンケットのために、食事を我慢していたのに、母ジュリアンはもう飲み始めている。

 それを恨めしそうに睨みながら、ヴィヴィは女子グループの中で、恋バナに花を咲かせていた。

「やっぱ、男は顔っしょ!」

「ちが~うっ 男は経済力! 金よ金っ」

「え~っ 筋肉でしょ。身体が資本よ身体がっ」

 恋バナというほど具体的でもなく、かと言ってなんだか妙に現実を見過ぎな女子達は、きゃいきゃい持論を展開する。

「じゃあ、心は……? 内面とか、性格とか」

 ヴィヴィがそう口を挟むと、皆の表情が緩む。

「え~、私はやっぱり頼りがいのある、しっかりした大人の男かなあ?」

「頭が良くてぇ~、精神的に安定しててぇ~、私だけに優しくてぇ~」

「ずばり、浮気しない男!」

 皆が口ぐちに挙げる理想の男像に、ヴィヴィは「ふ~ん」と納得する。

「ヴィヴィはどうせ、あれでしょう? 優しい優しい、匠海みたいなお・と・こ!」

 そうサラが、隣に座っているヴィヴィを肘で小突けば、ヴィヴィは首を傾げる。

「別に、ヴィヴィは特には……。あ……っ」

 そこまで言って何か思いついた風な表情をしたヴィヴィに、皆が注目する。

「何~?」

 サラのその問いに、ヴィヴィは胸の前で拳を作って力説した。

「信頼、出来る人……、うん、それに尽きるっ!」

(そこがしっかりしてないと、頑張れませんっ)

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ