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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第80章
片手でヴィヴィの両腕を拘束し、膝丈の白いコートの裾から太ももへと手を這わした匠海は、その裾を捲り上げて妹の下半身を剥き出しにした。
そして白く細い腰に纏ったピンク色の小さな下着を目にし、意地悪く続けた。
「またエロい下着付けて。ほら、全部脱ぎなさい」
「やめっ 待ってっ やぁ……っ」
力づくでコートを脱がされたヴィヴィは、羞恥に頬を染めて自分の躰を腕で隠した。
「なんだ、ヴィクトリア……。お前、こういう趣味があったのか?」
少し驚いた表情を匠海が見せたのも、無理はない。
明るいリビングの光の元、ピンク色のベビードールを纏ったヴィヴィが、泣き出しそうに顔を歪めていた。
その生地はシフォンで乳房の部分も透けており、胸の谷間のリボンの下、レースのあしらわれたスリットからは、薄く白い腹が剥き出しになっている。
そしてその下、金色の茂みをぎりぎり隠せる位しか生地のないショーツは、こちらも透け、細いリボンで両腰に結われていた。
「ち、ちが……っ お兄ちゃんに、よ、喜んで貰いたくて……」
顔を真っ赤にして頭を振るヴィヴィが、そう焦って弁解する。
「俺に?」
短く追及してくる匠海に、ヴィヴィは胸の前で自分の手首をぎゅっと握りしめる。
「……この前、ネクタイで……。お兄ちゃん、ヴィヴィを、普通に抱いたんじゃ……」
(もう、興奮しないんでしょう……?)
胸の中でそう続けたヴィヴィは、哀しさと屈辱をない交ぜにした表情を浮かべ、匠海を見上げた。
「ふうん……。俺に飽きられたと思って、悩んでたのか?」
ヴィヴィの意図を的確に読み取った匠海は、そう言いながら床に落としていた妹のコートを拾い上げた。
何故か手渡されたヴィヴィは、咄嗟にそれを胸に抱きこんで、また兄を見詰める。
「俺がお前に飽きる訳なんて無いだろう? ヴィクトリア」
ヴィヴィの金色の頭に掌を乗せた匠海は、今までの表情から一転、妹が愛しくてしょうがないといった、うっとりした表情を浮かべた。
「……え……?」
(飽きる訳が、無い……?)
ヴィヴィは意味が分からず、ただ兄を見返す。