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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第84章
自分の頭を固定している両腕を掴んで離させようとするが、あまりにも腕力に差がありすぎて全く歯が立たなかった。
(やっ どうして……?)
もしかして匠海は『妹』の自分に5ヶ月ぶりに会ったことで、常軌を逸し、現状を忘れているのではないか。
そう心配してしまうほど、その行動は軽率で、浅はかの様な気がした。
何よりも、自分の意思はどうなのだ。
今のヴィヴィは明らかに嫌がっていると、兄に伝わっている筈。
なのに止めてくれない。
困惑と拒絶から咽喉の奥で縮こまっていたヴィヴィの舌を、匠海は軽々と絡め捕り、味わい始めた。
味雷の集まるそこに自分の味を教え込むように擦り付けられたかと思うと、その輪郭を舌先でつつと辿られる。
それにびくびくと戦慄くヴィヴィを更に追い上げる様に、舌の後ろ――毛細血管が集まる敏感なそこをねっとりと舐めあげ、擦り付けられる。
頭を拘束していた両手の先、長い親指にヴィヴィの頬骨の上を何度も辿られ、何故かがくがくと脚が戦慄いた。
貪り尽くされる、という表現がぴったりの深い口付けは、翻弄されたヴィヴィが抵抗を見せなくなった頃にやっと、柔らかいものに変わった。
一歩踏み込んだ匠海に押され、クローゼットの扉に押し付けられたヴィヴィのその両手は、兄の腕を握っているのにもうほとんど力が入っていなかった。
匠海の両の掌は妹の頭から首を伝いその下、ワンピースの薄い生地と下着に包まれた膨らみへと下された。
5ヶ月も誰にも触れさせていない無防備なそこを触られ、ヴィヴィはびくりと震えた。
大きな掌の中にすっぽり収まる乳房は、その中でやわやわと揉み込まれる。
下から掬い上げられ絞られるようにされたかと思うと、その輪郭に添えられふよんと揺らされ、その中心へと向かって寄せられた指の間で尖りを押しこまれる。
「ふぅっ ……っ」
ねっとりと掻き回され続ける口内、重点的に敏感な乳首を攻めてくる大きな掌。
その全てにヴィヴィは翻弄され、思考が朦朧としてくる。
この行為には何の意味があるのだろう――その先にあると考えられる行為は、この場では出来ないのに。
ブラとワンピ越しに擽ぐられる胸の尖りに、自分の腰は妖しく蠢いている。