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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第85章
(あんなに酷い事、言われたのに……。こんなの、『人形』みたいにお兄ちゃんの好きな時に抱かれてるだけなのに……。ヴィヴィって本当に馬鹿……)
自分の恥ずかしいところに顔を埋めている兄の黒髪に、恐る恐る触れる。
さらさらで、真っ直ぐな、美しいその髪。
そういえばこの髪に触れるようになったのは、躰の関係になってからのような気がする。
クリスの髪はよく弄るけれど、匠海とは自分の髪を撫でて梳かれる方だったから。
自分の髪を弄るヴィヴィの指に気付き、匠海が視線だけを妹に寄越してくる。
自分と同じ灰色の瞳が熱っぽく潤み、彫りの深いその切れ長の瞳が自分だけをじっと見上げている。
ヴィヴィの薄い胸がどくりと大きく脈打ち、それを苦しく感じる自分がいた。
(お兄ちゃんに、全部……恥ずかしいところ、見られちゃってる……)
「『人形』でも、その表情は確かめたいの?」そう思いながら、ヴィヴィは達してしまった。
ぴくぴくと痙攣する膣壁が、互いを擦り付けることで、まだ与えられぬものへの切なさを慰めあっている。
匠海が抜いた舌と共に零れ落ちたのは、達したことによりさらに分泌された蜜。
口にタオルを咥えたヴィヴィが、その高い鼻だけでふうふうと息をしているのに気付いた匠海が、タオルを抜き取った。
少し垂れてしまった唾液を舌で舐め取ってくる匠海。
その舌の微かな刺激にもぴくぴく震える妹に、兄は苦笑すると何故かベッドルームへと戻り、オットマンを手に戻ってきた。
寝室に置かれた一人掛けソファーの、正方形の足置き。
それをバスルームに置いた匠海は、寝室との境目の扉を閉めた。
ベルトを外し前を寛げた兄のズボンの中、現れたのは昨日と同様反り返った昂ぶり。
洗面台に乗せたままのヴィヴィの脇に両手を入れた匠海は、そのまま持ち上げるとオットマンに腰掛け、妹を腰の上に跨らせた。
長い指でシャツワンピのボタンを外していく兄をぼうと見下ろしていると、匠海がその耳元で囁いた。
「俺の、触って?」
言われるがまま両手を匠海の陰茎に伸ばし、もう十分すぎるほど起ち上がった熱いそれを撫で始める。