この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第85章
はあはあと苦しそうに吐き出される互いの吐息。
時間がないと分かっているのに1分1秒でも長く自分を覚えこまそうと、ヴィヴィが達するのを巧みにコントロールする腰使い。
腕時計でちらりと時間を確認した匠海が、ヴィヴィの耳元で「そろそろ、イこうね?」と囁きかけてくる。
その返事をする代わりに、ヴィヴィは匠海の首に縋っていた腕に力を込め、唇に吸い付いた。
先ほどタオルを取り上げられて、喘ぎを噛み殺すものが無くなったのだからしょうがない。
シャツワンピの合わせ目、ブラのカップをずらされたまま露出した乳首が、時折匠海の胸板で擦れ、ヴィヴィはきゅっと膣内の昂ぶりを締め付けてしまう。
「ふぅっ」「んんっ」と鼻から漏れる甘い吐息。
ぎゅぷ、ぐちゅといつも通り淫猥な姫鳴りを上げる兄妹の結合部。
妹の細い腰をがっちりと掴み、そこに自分の長く太いものを打ち込み、時折捏ね回してくる兄。
(気持ちいいから、困る……。そりゃあそうか……、ヴィヴィの躰の奥深くの事は、きっと自分よりもお兄ちゃんのほうが、いっぱい知ってるんだもの……)
そして自分も、兄の昂ぶりを知っている。
何故か自分の最奥を抉るのが、異常に好きだ。
ほら、今も我慢している。
ヴィヴィがイって少しでも苦しさが和らいでいる隙を狙って、その最奥に捩じ込もうと、今か今かとその時を待ち侘びている。
(まだ、イかないもん……。お兄ちゃんの思い通りにばかり、させてあげないもん……)
口内は従順に兄の舌を受け入れるのに、膣内は匠海の陰茎に抗ってみる。
的確に自分の弱いところを突こうとする狙いをずらす様、腰を揺らす。
自分に引き寄せようとする匠海の腕の中、猫背にすることで拒む。
従順な『人形』になんて、なってやるものか。
だって自分は笹の葉に願ったのだ――『自分が自分で あり続けられますように』と。
ヴィヴィのその微かな抵抗に気付いたのか、匠海はぴたりと腰を止め、ゆっくりと唇を離した。