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第85章 　 　 　　　　 　 　

　いつの間にか意識が朦朧としていたヴィヴィは、気づけばバスタオルの上で躰を横たえた兄の腰に跨らされ、下から突き上げられていた。

　口の中にねじ込まれていたハンドタオルが、その嬌声を何とかくぐもった呻きへと変換してくれていた。

「ああ……、凄いっ　ヴィクトリアっ」

　尚も兄を貪り尽くそうとするヴィヴィの膣粘膜に、匠海が苦しそうに顔を歪ませる。

（いいよ、がまん、なんてしないで、いっぱいヴィヴィのなか、だして……？）

　ヴィヴィはふらふらしながらも自分から腰をくねらせ始める。

　その妹に気付いた匠海は、自らの腰の動きを止めた。

「ヴィクトリア、俺を味わって……」

　兄のその言葉に応える様、ヴィヴィは匠海の腹筋に両手を着くと、陰茎を深く銜え込んだまま腰をその場に擦り付け始めた。

　くねくねと前後に妖しくうねるヴィヴィの細い腰。

　ぬちゅぬちゃと粘着質な音を立てる互いの結合部。

（おにいちゃま……、きもち、いいね……？）　

　言葉を発せなくて瞳だけで兄を見下ろしたヴィヴィを、匠海が慾にまみれた瞳で見上げていた。

「綺麗だ……」

　その言葉に瞳を細めたヴィヴィは、兄の腰の上で円を描くように腰を回す。

　途端に躰の中心が再燃したような、強烈な快感がヴィヴィを襲ってきた。

　あまりの強い刺激に動きを止めてしまった妹のその腰を、匠海が両手で掴み自分に擦り付けながら掻き回す。

「……――っ　んんっ　んっ　ふぁ……んっ」

　充血しまくった粘膜を強引に中から押し広げられ、そのあまりの快感にヴィヴィの視界が白く霞み始めた。

　狂ったように兄に纏わり付く媚肉の様子に、今日一番の大きな潮がひたひたと満ち始めていることに気付く。

（ぁあっ　きちゃうぅ……、あっ　す、すごいのっ　ぁあん、あっ　あ―――っ！！）

　背筋をざわざわと音と立てて這い上がっていくその圧倒的な愉悦に、ヴィヴィは細い背を退け反らし果てた。

　真っ白に染め上げられていた視界が、やがて上から黒く塗り潰されていく。

　意識が完全に途切れるその間際、自分の奥深くを満たす暖かなものと、自分の名を呼ぶ匠海の掠れた声を感じ取り――。

　それからのことは、ヴィヴィに意識はないので、その責任は与り知れない。