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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第86章
「……おにい、ちゃん……」
枕から少し離した口でそう切なげに兄を呼んでも、ヴィヴィの欲しいところを匠海は触ってくれない。
「うん? 脚、気持ちいいだろう?」
「……っ やっ」
ヴィヴィは枕を頭に押し付けたまま、いやいやと首を振る。
白いシーツの上に、鈍い光を放つ金色の髪が広がる。
「何が?」
「やだぁっ い、意地悪、しないで……っ」
そう甘えた声を上げるヴィヴィに、匠海は掴み上げていた妹の両脚を下した。
「ふ……。じゃあ、いい子のヴィクトリアなら、どうすればいいか、分かるね?」
「……~~っ」
結局兄の言う通りにしなければならなくなり、ヴィヴィは悔しそうに少しずつ枕を下に下げていった。
「ああ、ヴィクトリアの可愛いおめめが見えた。じゃあ、一度イこうね?」
視界に心底楽しそうな匠海の姿が現れ、ヴィヴィは心の中で突っ込む。
(だから1回でいいんだってば! っていうか、お兄ちゃんがイってよっ!!)
そのヴィヴィの訴えが分かったのか、匠海はくっと苦笑すると、また敏感な肉芽を弄り始めた。
蜜を纏った指の腹で、今度は強めに潰しながら転がされる。
どんどんその周りが熱を持ち始め、その真裏に押し付けられている亀頭からもむず痒さに似た痺れが広がる。
ぎゅうぎゅうと、特に膣口近くの匠海の陰茎を締め上げる膣内。
不意にぐっと強く抉ってくる柔らかな亀頭の先。
そして匠海の「イっていいよ、ヴィクトリア」という優しい声。
その全てに翻弄され、ヴィヴィは高みに昇り詰めた。
「……――っ ふぅっ うっ ふぅううっ」
枕に我慢出来なかった全ての嬌声を吐き出したヴィヴィは、苦しそうに荒い息を吐く。
「ヴィクトリア、気持ちよかったね?」
そう囁いて妹の手から枕を取り上げた匠海は、ヴィヴィの唇に吸い付いてくる。
「んっ ……んぅ、ぁ……っ」
達したばかりで少し朦朧とする妹の、その口内を意のままに貪る匠海に抗いたいのに、与えられる舌の気持ち良さのほうが勝り、ヴィヴィはいつの間にか兄の舌にねっとりと応えていた。
(あん……、蕩けちゃう……、ヴィヴィの、全部……)