この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第86章
声も音も何も我慢しなくていい、そんな場所で、時間も気にせず兄の全てを感じさせてほしい。
もしかして匠海は、それを自分に感じさせようとして、わざとこんなことをしているのではないか――?
「ふ……。意地っ張りなお姫様は、素直じゃないな? じゃあ、また一人でイっとく?」
返事を寄越さない妹に、兄はそう言うと深くまで貫きながらクリを弄り、そしてヴィヴィの蜜壺は止めどなく兄を貪り続ける。
(もう、いやぁ……っ 狂うっ 狂っちゃうぅっ)
締まり続ける膣壁が、中の匠海の硬さを脳へとダイレクトに伝えてくるのが辛い。
ほとんど動かされないのに、ごりごりした質感と腰にずしりとした重量感を感じ取ってしまう、貪欲な自分の粘膜。
ぼろりと零れた熱い涙と、「ひっく」としゃくり上げるヴィヴィの泣き声。
それに気づいた匠海は、やっと肉芽を擦っていた指を止め、妹の抱えている枕を取り上げた。
「ふ、泣き顔も可愛いな、ヴィクトリアは」
「……~~っ」
(この、変態っ!)
「泣いても駄目だよ。俺のこれ、覚え込みなさい」
(もう、充分っ 充分、覚えてるからぁっ)
そう心の中で反論して涙に濡れた瞳できっと睨み上げると、匠海がヴィヴィの背中の下に両腕を差し込み、大切そうに持ち上げて胸へと抱き込んだ。
「はいはい、よちよち」
ふざけた幼児言葉で泣いた自分をあやす匠海に、あまりにいらっとしたヴィヴィは涙も引っ込んだ。
妹の性格を知り尽くしている匠海に、その掌の上で転がされる無力なヴィヴィ。
頬に流れた涙をぺろりと舐め取られ、ヴィヴィはもう「なんなんだっ!?」と心の中で喚くしかない。
「……もう、終わり……?」
腕の中からぶすっとした顔で睨み上げてくる妹に、匠海は意地悪く微笑む。
「そんな訳、ないだろう?」
(この、絶倫……っ! 変態……っ!)
ヴィヴィが心の中で、そう口汚く兄を罵っている間に、匠海はヴィヴィを抱えたまま、ベッドヘッドへと移動した。
そこへ幾つか枕を重ねて背を預けた匠海と、その上に繋がったまま跨らされたヴィヴィ。