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第86章 　 　 　　　　　　　 　　

「ほら、今度は乳首舐められただけでイけるか、試してみようか？」

「……やだぁ……っ」

「だって俺、今日はまだヴィクトリアのおっぱい、可愛がってないし」

　それならそれでさっさと触っておけばいいのに、匠海は先程からずっと、ヴィヴィの腰のくびれを愛おしそうに撫でているだけ。

「……お兄ちゃん、も……」

　次こそ一緒に達して解放してくれとその意味も込めて、意識して膣内の陰茎をきゅうと締め上げた。

「俺はまだ、イきそうにないな」

　ヴィヴィの挑発にも全く動じない匠海に、ヴィヴィの心の中はどんどん毒舌になっていく。

（……とっとと、イってくれませんかねえ……？）

「胸突き出して。舐めやすいように」

　重ねた枕に緩く凭れ掛かった匠海は、ヴィヴィを誘導してその両手でベッドヘッドを握らせた。

「え……、枕……」

　それがないと声を押し殺せないと焦るヴィヴィに、匠海がその口元にハンドタオルを寄せてくる。

（……っ　用意周到過ぎでしょうっ！？）

　しょうがなくそれを咥えたヴィヴィに、匠海は「いい子だ」と褒めると、妹の腰を両手で掴み、乳房の中心に唇を寄せた。

「……んっ　ふぅ……っ　んんっ」

　ヴィヴィは早々に甘い吐息を漏らす。

　兄の美しい顔がすぐ眼下にあって、しかも自分の小さな乳房の先端を嬉々として舐めしゃぶっている。

　高い鼻梁がたまに白い膨らみの感触を確かめるように押し付けられ、大きめの唇はじゅるじゅるとわざと音を立ててヴィヴィの羞恥を煽ってくる。

（や、やだぁ……っ　えっち、だよ……っ）

「ああ、凄く締まるよ。ヴィクトリア、もしかして、上に乗るの、好き？」

　匠海の意地悪な問いに、ヴィヴィは首を振って抵抗するが、兄は両掌でヴィヴィの腰や背中を撫で始めた。

　ざらりとする舌に乳首を押し潰され。

　もう立ち上がって固くしこった乳首を、音を立てて強く吸われ。

　舌の先で乳輪を辿られたかと思うと、不意にかりっと乳首を甘噛みされ。

　強い刺激に怖くなり身を引こうとするその背を、大きくて暖かな掌に阻まれ、また引き寄せられて。

　兄の唇に翻弄されたヴィヴィは、締まり続ける膣内とは別に、腰がむず痒く感じて身悶えた。